シェルのクリーンエネルギー広告キャンペーンは誤解を招くと英国監視機関が指摘

英国ブリストルのテレビコマーシャル、YouTubeビデオ、ポスターキャンペーンでは、英国の多数の家庭に100%再生可能エネルギーを提供し、電気自動車の充電ポイントを設置し、エネルギー転換を推進することがさまざまに説明されている。

ロンドン（AP通信）―石油大手シェルによるマーケティングキャンペーンは水曜日、化石燃料が事業の「大部分」を占めているにもかかわらず、事業の大部分が低炭素エネルギーであることをほのめかしたとして、英国の広告監視機関によって禁止された。

広告基準局は書面による判決の中で、消費者がマーケティング資料を「シェル全体がクリーンなエネルギーを提供しているという広範な主張」を行っていると解釈するだろうと認定した。

シェルはクリーンエネルギー事業を展開しているが、その事業により2021年に熱を閉じ込める二酸化炭素が約14億トン放出されたと同社は推定している。

シェルの広報担当タラ・ルメイ氏は声明で、同社はASAの決定に「強く」反対しており、「英国の再生可能エネルギーへの取り組みを遅らせる可能性がある」と述べた。

キャンペーン団体のアドフリー・シティーズは、シェルの全体的な環境への影響に関する重要な情報が省略されているとして、このコマーシャルについてASAに苦情を申し立てていた。また、イングランド南西部の7万8000戸と英国全土の140万戸がシェルのクリーンエネルギーを100％使用しているという主張は誤解を招くものだと主張した。

ASAの判決は、このキャンペーンが「シェルが2022年に英国で投資・販売するエネルギー製品のかなりの部分を低炭素エネルギー製品が占めているか、近い将来そうなる可能性が高い」という印象を与えたと述べた。

また、シェルが英国の多くの家庭に100％再生可能電力を供給するという自社の主張を証明しており、訴状の一部が支持されなかったことも判明した。

監視機関はシェルに対し、現在の形でキャンペーンを再び実施しないよう命令した。

訴状を主導したアドフリー・シティーズの活動家ベロニカ・ウィグナル氏は、今回の判決は「英国における化石燃料グリーンウォッシングの一線に終止符を打った」と述べたが、この判決は「十分に進んでいない」とも付け加えた。

彼女は化石燃料の広告を止めるための強力な法律の制定を求めた。

しかしシェルのルメイ氏は、「今日自分たちが依存している石油とガスがシェルが生産していることは人々はすでによく知っている」と主張した。

ルメイ氏は、英国成人1,700人を対象とした調査で、83％が同社をガソリンスタンドと関連付けていることが判明したと引用した。

「多くの人が知らないのは、私たちが低炭素エネルギーやゼロ炭素エネルギーにも多額の投資を行っているということです」と彼女は言う。「それが私たちの広告が示したかったことであり、それが私たちがこの短絡的な決定を懸念している理由です。」

シェルは以前、販促資料でグリーンウォッシングのクレームに直面していた。 2021年、オランダの広告監視機関は同社に対し、自社の燃料がカーボンニュートラルであると主張するキャンペーンの実施を中止するよう指示した。これは同社のオフセットプログラムに基づく主張だ。